渡り鳥のブッポウソウを村鳥に指定している天龍村でことしも営巣活動が始まり、庁舎屋上に設置した巣箱で産卵が確認された。巣箱内にカメラを設置して、庁舎内のモニターで内部の様子を確認することができ、役場に訪れた人たちを楽しませている。
国の絶滅危惧種に指定され、県天然記念のブッポウソウを保護しようと、各地に巣箱を設置して保護活動を展開している同村。本年度も天龍小学校児童でつくる「天龍みどりの少年団」が巣箱を作って村内各所に設置した。
庁舎屋上の巣箱内にはカメラを設置し、産卵からふ化、7月の巣立ちまでの様子を庁舎内のライブモニターで観察できるようにしている。
ことしは1日に飛来を確認し、22日夕に卵1個を産卵。24日夕には2個目を確認した。昨年、一昨年は各5個を産卵していることから、同役場では「さらに卵を産む可能性はある」と期待を寄せている。
庁舎付近を仲良く飛び回るつがいを撮影しようと、徐々にアマチュアカメラマンも訪れ始めている。役場横の自慶院住職(64)は「2日おきに産卵し、産卵が終わると温め始める。これまでのデータではふ化は6月中旬ごろ。元気に大きくなってもらいたい」と話した。
一方で「デリケートな鳥のため巣箱に近づきすぎたり、違法駐車などしないようマナーを守って観察してもらいたい」(村役場)と呼び掛けている。
ブッポウソウは夏鳥としてユーラシア大陸から渡る。ハトより少し小さく、青緑色の美しい色彩と長くてしなやかな翼が特徴で、飛翔昆虫類を空中で捕食するため、高木や高い橋脚がある場所を好む。