天龍村神原の村営温泉施設「おきよめの湯」が3日、愛知県豊橋市の設けられた足湯として人気を集めた。PRを兼ね、村がタンクローリーで温泉水を運び、実現。大平巖村長は「村の観光振興につながってほしい」と期待を寄せた。
おきよめの湯が出張したのは、豊橋市の私立桜丘高校。学園祭の目玉にと生徒たちが企画し、同校の教諭が知人を通じて天龍村に照会。「PRの好機」と位置付けた村が快諾し、無償提供を決めた。
村は数日をかけて準備をし、村内で利用しているタンクローリーを活用して4000リットルを輸送。学校と村をつないだ同村出身の池田耕二さん(62)の依頼を受けたおきよめ温泉協議会長の村松克一さん(45)が4つの浴槽を製作し、学園祭で各所に設置して「南信州天龍村おきよめ温泉・さくらの湯」と命名した。
会場では「体が休まる」と人気に。本格的な温泉成分に驚く人もいて、村側も「十分アピールできた」と胸を張った。
同行した大平村長は「県は違えど、高校生の願いとあってどうしても協力したかった。隣接する中京圏からの誘客が村の観光振興の最大のテーマ。今後もさまざまな機会をとらえてアピールしていきたい」と話していた。
おきよめの湯は、アルカリ性単純温泉の泉質で、ほどよいしっとり感が残るとして人気を得ている。