天龍村の小学生を対象にした有志と公民館による学童保育「龍っ子クラブ」が、学校や家庭、地域の連携協力の推進に貢献したとして、文部科学大臣表彰を受けた。保護者の一人で、民宿女将の熊谷美沙子さんが11年前から取り組み、年間40日ほど開いて宿題を見守ったり、旅行や催しなど多彩な企画を重ねている。
3日に表彰式があり、主宰する熊谷さんが都内で表彰を受けた。
仕事をする母親たちからの相談を受けて、長女が小学校1年生だった2005年の夏休みに、子どもを預かるサマースクールとしてスタート。天龍小学校の体育館を借り、単身で35人を預かった。
以降は春休みや学校の振り替え休日などでも開くようになり、夏休みの体験旅行や夏祭りは恒例の行事として定着。年を追うごとに村や村民の理解が広がり、この春からは前教育長の板倉恒夫さんがサポートしている。
生徒総数が減り、現在は22人が登録。学校で懇談会が開かれた10、11の両日も、教室を借りて子どもたちの自主学習を見守った。
1年生男子児童(7)は「友だちと一緒に勉強できるから楽しい」、4年生の男子児童(9)は「集中して宿題も進むし、おやつも食べられるからうれしい」と話していた。
熊谷さんは「立ち上げた頃の子どもたちが成人式を迎える年になり、たくましくなった姿を見るたびにやってきて良かったと感じている。受賞を励みに、これからもしっかり取り組んでいきたい」と話していた。
女性の社会進出を支援する取り組みとして、村民からの評価も高い。
年末には学校外での習い事の成果を披露する場として、3回目の「龍の子フェスティバル」の開催を計画している。