天龍村中井侍 平年より遅く一番茶摘み

地域の話題

[ 2011年 5月 16日 月曜日 15時09分 ]

 県最南端の天龍村中井侍地区で14日、一番茶摘みが始まった。天竜川が刻んだ谷あいに生産者やその親族らが集まり、すくすくと育った茶葉を丁寧に摘み取った。春先の低温で平年より11日ほど遅い開始となったが、心配された凍霜害はなかった。

 標高約290―400メートル、天竜川に面する急斜面に茶畑が広がる同地区は、県内で最も早く茶摘みが始まる産地として知られる。

 2日の八十八夜から12日目のこの日、3件の農家がやぶきたの茶摘みをスタートとして、収穫シーズンが幕を開けた。

 最も低い標高290メートル付近の羽田野七郎平さん(82)の園地(25アール)では、午前7時ごろから親戚や知人ら14人が作業をはじめた。

 一人ひとりが腰にかごを結び、先端から3枚の葉を摘み取る「一芯(しん)三葉」の方法で次々と摘み取った。

 春先の低温で遅れたのに加え、昨夏の猛暑の影響で生育にばらつきが見られるものの、「手作業で丁寧に摘み取るため、例年どおりにおいしい新茶ができそうだ」(羽田野さん)という。

 収穫した茶葉は、近くの工場で製茶し、地域の独自銘柄「中井侍銘茶」として自家販売する。

 中井侍地区の茶生産は、1973年に産地化を目指して本格化。多くの農家が在来種からやぶきたに品種を変え、生産振興を図った。

 親戚や友人が各地から駆けつけ、助け合うのが慣例で、現在も10数戸が生産している同地区では、標高が低いほ場から順に茶摘みがはじまり、5月いっぱい続く。

 羽田野さんは「ことしも手摘み茶ならではの味わいをお届けできれば」と話していた。

  

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