学輪IIDAの公開セッション

地域の話題

[ 2017年 1月 24日 火曜日 15時53分 ]

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 フィールドスタディなどで飯田市と関わりのある大学の研究者らを結び、地域課題の解決や地域振興、魅力発信などを目指す「学輪IIDA」の本年度全体会(公開セッション)が21日、市内で開かれた。「飯田水引」産業の活性化に向けた大学生と地元高校生による連携プロジェクトの報告やパネル討論会などを通じて、学輪IIDAの意義を考え、さらなる広がりを展望した。

 大学教授や行政関係者を中心に約250人が来場した。学輪IIDAは2011年の設立で、39大学94人の研究者が参画している。

 法政大キャリアデザイン学部酒井ゼミ生は4年目の「飯田水引プロジェクト(PJ)」を報告。飯田水引の認知度の向上やマーケットの確立を目指し、本年度は飯田OIDE長姫高校商業科の生徒と共に水引を生かして取り組んだ「ご縁結び弁当」の開発経過を伝えた。

 五平餅など飯伊の郷土食や地元食材を使った弁当企画は、今年の夏にJR6社で展開する信州デスティネーションキャンペーン(DC)での採用を視野に展開。包み紙の止めひもに、五つの円で構成する縁起の良い「梅結び」の水引を用い、食事の際は箸置きとなるようにした。

 昨年10月末の2日間に東京品川の観光フェアで試験販売したところ、用意した計70個は完売。水引の評判も良かった一方で「高校生による販売という特殊要因が売りになり、肝心の水引や中身を購買理由としてもらうための工夫が欠けていた」などの反省点も報告した。

 生徒たちは「水引はデザインや形状に応じてさまざまな用途が考えられ、商品を引き立てられる」「新たな市場の確保や企業コラボを目指し、認知度拡大に取り組みたい」と話し、新年度に信州DCへの売り込みを引き継ぐ方針を伝えた。

 第2部のパネル討論会は「様々な『知』や『人財』が共鳴して集う地域の実現に向けて」をテーマに実施。コーディネーターを法政大人間環境学部の石神隆教授が、パネリストを名城大の福島茂副学長、和歌山大観光学部の藤田武弘学部長、京都外国語大外国語学部の堀口朋亨准教授が務め、牧野光朗市長も参加した。

 2027年のリニア開業時代を展望する中で福島氏は「リニアが通っても、価値ある地域の日常を、都会から見た非日常をどう顕在化させるかが飯田の課題」と指摘。藤田氏は「外部のマンパワーも活用し、交流、協働、共鳴し合える人々を地域内外に広めていくことが地域の維持発展には必要」と考察した。

 堀口氏は地域コミュニティーや学びの文化、多様性などを飯田の強みとした上で「地域の発展には、継続的に資金を稼げる仕組みをきちんとつくることも重要。産業や企業の『組み合わせの妙』をどんどん試行できる場を設けてほしい」と期待した。

 世界との関係性や定住の価値を強めるため「学輪IIDAの成果や地域の魅力を地元住民に可視化すべき」「郷土に誇りや愛着を持ち、一度は離れても戻れる仕組みや仕掛けを学輪IIDAでもつくりたい」などの意見もあり、牧野市長は「新しい価値を創造する共創の場を広げていきたい」と話した。

  

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