下條村の国道151号で新設する「粒良脇トンネル」工事の安全祈願祭が24日、現地で開かれた。発注者の県飯田建設事務所や工事の関係者、沿線市町村の首長らが出席。快晴の下、工事の安全と早期の完成を祈った。
取付道を含めた全体の整備計画は延長約820メートルで、国道151号と県道天竜公園阿智線の交点から下條郵便局付近までを結ぶ。このうちトンネルは547メートル。現トンネル(延長257メートル)の西側に設け、車道幅員は現在の5・3メートルから6・5メートルに広がる。
同事務所によると、飯田側坑口から掘削に着手し、2022年度中の供用開始を目指す。総事業費は約35億円で、トンネル部分の工事費は約20億円に上る見込みという。
この日のあいさつで細川容宏所長は「完成すれば三遠南信道天龍峡ICを核として下伊那南部地区の発展に寄与する」とし、「無事故で早期に完成するようお願いしたい」と工事関係者に呼び掛けた。国道151号改良期成同盟会会長の佐藤健飯田市長も「物流や観光、緊急輸送で重要な道路であり、飯田市や沿線の住民からの期待も大きい。1日も早い完成を」と期待を寄せた。
現行の粒良脇トンネルは1964(昭和39)年に供用開始。幅員が狭いため点検路を撤去するなどして車道幅員5・3メートルを確保したが、大型車同士のすれ違いが困難な状況が続いており、円滑で安全な交通のネックとなっている。
飯田市を起点に下條村、阿南町を経由して豊橋市へ至る国道151号は、三遠南信地域を南北に結ぶ広域的な骨格幹線道路。緊急輸送路に指定され、災害発生時の応急対策活動を支える重要な路線でもあり、同トンネルの早期改良が求められてきた。
金田憲治村長は「(現トンネルは)暗くて事故も発生しており、改良や新設は村民にとって悲願だった。大変な工事になると聞いているが、安全に1日も早く開通することを村民も願っている」と話していた。
◎写真説明:飯田坑口前で行われた安全祈願祭