昭和初期に建てられた旧清内路郵便局の局舎が、所有者で清内路郵便局長の原和信さん(52)=阿智村清内路=によってこのほど補修された。外観と1階内装は、局舎として使っていた時代の状態そのままで、地域の人が気軽に集まれる場として利用するという。
原さんによると、旧局舎は祖父の常五郎さんが局長を務めていた1933(昭和8)年に建てられ、81(同56)年2月に現在の国道256号沿いに移るまで使われていた。
旧局舎は自宅の敷地内にあり、一時は取り壊しも検討したが、地域には保存を望む声が多く、建築家の評価も高いことから補修することを決めたという。
よろい壁(板壁)の外壁や窓枠に使った塗料は、当時の色を忠実に再現。ポストのレトロチックな模様など細部も再現し、室内には木製スキーや古い写真なども展示される。
1階には18畳ほどの事務室と休憩室、資料庫、自転車置き場があり、原さんは事務室をサロンとして地域に開放する考え。写真や絵などのギャラリーや、イベント、学びの場としても利用できる。
原さんは「2階を住居として使ってきたために残った建物。地域の人たちが気軽にたむろし、いろんな話ができる場所にできたら」と話している。
建物は建築家の間でも評価が高く、保存と有効活用を望む声が多かった。住民観光ガイド「夢先案内人」のコースにも近く組み入れられる予定だという。