札幌市豊平区美園地区内に植わるりんご並木で、長年にわたり世話を続ける美園リンゴ会(大宮幸一会長)の会員ら12人が20日、飯田東中学校を訪問した。歓迎会や生徒たちとの近況報告会を通じて情報交換し、交流を深めた。
両者の交流は、同中生徒が育てるりんご並木を参考に1961年、札幌市が美園地区の環状通中央分離帯約1キロにリンゴの若木80本を植えたことがきっかけ。翌年300個ほどが実をつけたがほぼすべてが盗難にあい、76年、並木を見守る同会が発足した。並木10周年にあたる85年には「飯田市」の文字を刻んだ石碑を建立し、同中生徒を序幕式に招待している。
今回は美園地区の並木35周年を記念して交流会が実現。同中体育館で全校生徒が参加して歓迎の会を開いた。
飯田りんご並木の世話を行う千葉正康りんご並木委員長(3年)は「飯田のりんご並木は札幌市の美しい街路樹を参考にしている。これまで問題はいくつもあったが、地域に助けられて乗り越えてこれた」と報告すると、「時は経ったが、これからも交流を続けていきたい」と思いを伝えた。同会からは生徒全員に区のキャラクター入りエコバックと地元のお菓子が贈呈された。
歓迎会後には、生徒会、並木委員代表者と会員らで意見交換会を実施。東中が収穫までの年間計画や行事を紹介すると、同会員らも、現在10品種80~90本を見守り、年間1万個ほどを収穫する並木や会の状況を報告した。大宮会長は飯田のりんご並木について「実も大きく木も立派」と称賛。高齢化が進む会の状態も踏まえ「今後は並木近くの中学校とも連携できれば。将来的に生徒同士の交流へと発展していけばうれしい」と話していた。