東京大学大学院工学系研究科は、阿智村駒場下町の建造物と町並み形成史に関する調査を22日から25日まで行う。24日には調査速報報告会を村コミュニティ館で午後7時から開き、他地域との比較を交えて特徴などを解説。最終的には建造物、宿場町の面影を残す一帯の価値を明らかにする計画だ。
村などの依頼を受けて調査を行うのは、建築史専攻の伊藤毅教授と博士課程、修士課程の院生6人ら。養蚕景気を背景に、大正から昭和初期にかけて隆盛を極めた下町一帯、安布知神社の本殿、拝殿を2班に分かれて訪れ、江戸時代の古絵地図、公図などを参考にしながら調査を進める。
下町では、銭湯や料亭だった古い建物や旧熊谷元一邸など、にぎわった時代の面影を色濃く残す細い路地沿いの建物も含めて調査し、図面の制作や個々の概要をまとめる計画。4月初旬の下見では、当時としては珍しかった木造3階建てが複数残っていることなどが評価されている。
地元には古い建物の扱いをめぐり、保存を求める声と「取り壊すべき」とする意見がある。地元関係者は「どんな評価が得られるか確認したい。できれば地域資源として保存し、地域の今後に良い影響を与えるような利用方法が、調査をきっかけに出てくることに期待したい」と話している。
調査速報報告会は入場無料。村と駒場区が主催し、駒場区全区およりて構想特別委員会と同区文化財特別委員会、村商工会古民家再生事業実行委員会が共催する。
問い合わせは同課(電話0265―43―2220)へ。