南信州新聞社は28日、東日本大震災で甚大な被害を受けた福島県いわき市を訪れ、東北地方のラガーマンを支援するために開いた「復興支援チャリティーラグビー大会」の義援金や寄せ書きを同県のラグビーフットボール協会に届けた。同協会を通じ、岩手、宮城、福島県の各協会に送る。
「ONE・FOR・ALL、ALL・FOR・ONE(一人はみんなのために、みんなは一人のために)のラグビー精神を届けたい」と、飯田ラグビーフットボール協会、南信州クラブ、本社が10日に飯田市松尾の市総合運動場でチャリティー大会を開催。出場した小学校1年生から中学校3年生までの選手ら200人が、会場で募金活動を行ったほか、本社がチャリティー下敷きを販売して売り上げの全額を義援金に充てた。
日本新聞協会、日本地域紙協議会に加盟し、本社と交流しているいわき民報社の照会で、福島県ラグビーフットボール協会の鵜沼秀雄会長を訪ね、計21万8728円の義援金を直接届けた。
贈呈式は同県の強豪校、同県立平工業高校のグラウンドで開き、同県フィフティーンも参加。本社の吉沢幸輝常務が「同じラグビーに汗を流す東北のラガーマンたちを支援したいと、飯田下伊那地域の子どもたちが一生懸命に集めた義援金です。一日でも早い復興を願っています」と、同会長に手渡した。
鵜沼会長は「遠く長野のみなさんに支援をしていただき、感謝に耐えません。いただいた助け合いの気持ちを大切にして、いつか恩返しがしたい。地震、津波、放射能の三重苦で練習をすることも困難な地域もありますが、必ずや立ち上がります」と謝辞。同協会事務局長で同校ラグビー部の高木邦夫監督は「被災地の子どもたち、ラガーマンたちの大きな力になる。元気のいい試合を見せられるようがんばりたい」と決意を語った。
贈呈式では、飯伊の子どもたちが激励メッセージを記した寄せ書きも披露された。
メッセージを見つめた同校ラグビー部の主将は「ラグビーのONE・FOR・ALL、ALL・FOR・ONEの気持ちを感じた。いつの日か、長野のみなさんと試合ができたらうれしい」と話していた。