高森町で26日、地域の史跡に親しむ町内探検ウオーキングの吉田編があった。公民館の運動健康講座(伊藤文江代表)が主催し、約20人が参加。井伊亀之丞を保護した松岡氏の属城や支城、国指定重要文化財の竹ノ内住宅など、7カ所の歴史スポットを含む5・5キロを歩いた。
NHK大河ドラマ「女城主 井伊直虎」の影響で足元の歴史資源への関心が高まる中、「地域の魅力に触れながら健康増進を」と企画。以前から開いていた月例の日曜ウオーキングに歴史探訪の要素を加え、訪ねる区は毎回変えている。
吉田編では松岡氏属城の吉田南城跡・城山公園、支城の吉田本城・古城跡、本棟造りの竹ノ内住宅、年貢代を保管するため江戸期に建てられた郷蔵、ネズミからカイコを守った猫をまつった猫神様、吉田神社などに立ち寄った。
参加者は競歩の元五輪代表選手、酒井浩文さん(豊丘村)から歩き方の基本を聞いてから役場を出発。自分のペースで歩きながら歴史に触れ、参加者同士の交流も楽しんだ。
吉田本城・古城跡では、県縦断駅伝の元監督で周辺の土地を管理する中塚博明さん(80)が歴史や城の造りを解説。花びらが大きいことで知られ、古城跡の近くで木を増やしつつある「古城桜」も紹介した。
吉田南城址では、近くで果樹の作業をしていた住民が説明にあたり、女性の参加者は「すぐ近くに住んでいるが、ここに南城があったとは知らなかった」と話していた。
1万歩のウオーキングを日課にしているという下市田の元会社役員の男性(75)は「みんなで歩くことはめったにない。50年以上高森に住んでいるが、初めて足を運んだ場所が少なくなかった」と話していた。
区を訪ね歩くシリーズは今後も続ける予定。