松川町大島の町営温泉宿泊施設「清流苑」周辺でホタルの環境を整備する同施設職員と住民有志の「ほたるの会」が7日、養殖したゲンジボタルの幼虫約300匹を手作りの専用水路に放流した。
清流苑近くを流れる片桐松川一帯は、古くからゲンジボタルの生息地として知られる。
職員とメンバーは、清流苑を訪れる県内外の観光客にホタルの乱舞を楽しんでもらいたいと、2006(平成18)年に幅60センチから1メートル、長さ約70メートルの専用水路を設置。増水や冠水といった悪天候に対応できるよう直径約4メートル、深さ60センチほどの人工池をつくり、ホタルのえさとなるカワニナを増やすための池も手造りした。施設南側の町有地を流れる小川を「ほたるの里」と名付けた。
24時間温度管理できる専用の水槽で養殖もしており、昨年は6月下旬に母ホタルを採取し交配、産卵を経て、幼虫は2~5センチの大きさになった。
この日、職員やメンバーら20人が集まり、幼虫と、幼虫のえさとなるカワニナを専用水路に流した。
幼虫の放流は3年目。職員によると、昨年はピーク時に70匹ほどの乱舞を確認した。ほたるの会会長の松尾正幸さんは「ホタルの数がだんだん増え、毎年楽しみに訪れる人もいる。ことしも楽しみ」と話した。
放流した幼虫は今月から5月にかけて上陸し、土中に土繭をつくり、40日ほどでサナギとなる。その後、10日ほどで羽化。例年だと6月下旬から舞い始め、7月上旬にピークを迎えそうだ。