松川町で新たな特産品として食用ほおずきを栽培する農家でつくる生産者組合「松川町ほお好き会」(大石和幸会長、会員27人)は、新商品「ほお好きラスク」を今月下旬に発売開始する。1月31日に下伊那地方事務所で開いた「おいしい記者会」で発表した。
同会は、農家の高齢化に伴う運搬作業の負担軽減と遊休農地の活用を図るため、2012年8月に設立。町は「食べるほお好き」として商標登録し、定植・栽培・出荷の説明会を行うとともに、商談会やイベントに参加し、町の新たな特産品のPR活動を行っている。
「食べるほお好き」は、生食用として出荷するほか、実が割れたり小さくて青果販売できない規格外のものは加工用に冷凍し、これまでにアイスクリームやあめを開発している。今回発売するラスクは、県中小企業振興センターの紹介によりティンカーベル飯田工場(本社・安曇野市)と共同で企画・開発。同町大島の「信州まつかわ温泉 清流苑」で販売する。価格は、一袋10枚入りで数百円程度の予定。
大石会長(52)は「ほおずき独特の酸味をそのまま生かした味わい。加工にするとおいしさが引き立つので、今後も加工品を研究していきたい」と意欲的。加工用は町で買うが、会員が個々でもジャムやジュース、ドライフルーツなどの加工を研究しているという。
ほおずきはナス科の野菜で、5月に苗を植え、8月20日頃から11月下旬まで収穫できる。「食べるほお好き」は糖度が12~15度で桃と同程度。ビタミンAがトマトの4倍、動脈硬化の予防に良いといわれるビタミンE、特にビタミンB群のイノシトール(脂肪肝の予防・改善に効果)が豊富に含まれるなど、健康食品として注目されている。
問い合わせは、同町役場産業観光課農業振興係(電話0265・36・7027)へ。