飯田市江戸町から伝馬町の来迎寺に、約15年前移築された飯田藩士柳田家の茶室のふすまから、このほど柳田家日記などの資料が発見された。筆跡などから8代目当主の柳田東助為善(1808―66)のものとされている。
住民有志らでつくる茶室移転実行委員会の羽場崎清人さん(73)=同市知久町=が、柳田家の菩提寺である来迎寺住職だった渡邉文應さん(69)に敷地内への移転を依頼。移築後に羽場崎さんと渡邉さんは茶室の調査を実施し、市美術博物館へふすま2枚の調査を依頼したところ、東助が記したとみられる文書約100点が内部に貼り込まれていることが分かった。
東助は飯田藩10代藩主堀親しげに御側用人として仕え、当時の飯田藩士の暮らしぶりがうかがえる日記『心覚』を残している。2004―08年にかけてこの日記2冊を出版した市美術博物館の桜井弘人学芸員は「小さな字で書き込んでいる点が東助の文章の特徴。日付などを挙げて日記形式で書かれており、公文記録の可能性もある」と話している。
羽場崎さんと渡邉さんは「今後も有志など関係者と茶室を調査し、仕分けや整理を行って発表していきたい」と話していた。