飯田市千代の棚田百選「よこね田んぼ」で11日午後、千代小、千栄小、竜東中の3校合同による稲刈り作業が行われた。午前中は千代保育園の園児らも訪れ、5月中旬に自分たちで植えた計7枚の田んぼで手際よく稲を刈り取っていった。
よこね田んぼは、戦国―江戸期に開発された千代田力地籍に広がる約3ヘクタールの棚田で、棚田百選の一つになっている。高齢化が進む中、昔ながらの棚田を後世に残そうと1998年に地元住民で保全委員会を発足。1ヘクタールを管理し、地元保育園や小中学生、体験旅行生などが利用している。
この日は保全委員らも含め約150人が参加。連日の雨でぬかるんだ泥にも負けず、金色に実った稲を鎌を使って刈り取り、ある程度の束でまとめてはざかけまでを行った。園児のときから田植えや稲刈りを経験して10回目の参加になった同中の生徒の一人(12)は「この素晴しい風景を大切にしていきたい」と話していた。
恒例の収穫祭は27日に開き、ことしは田がぬかるんでいるため千代公民館前の駐車場を会場に開く。地元産の野菜や千代福豚を使った豚汁やモツ焼き、五平餅を振舞う。
また現在「案山子コンテスト」も開催中で、13体の案山子が田んぼに飾り付けられている。投票は23日まで。投票用紙は田んぼ管理棟前に設置してある。よこね田んぼ保全委員会の川手重光委員長は「稲の香りと収穫の喜びを感じてもらえれば」と話していた。