正永寺の名桜が倒伏

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[ 2019年 7月 17日 水曜日 15時30分 ]

 飯田下伊那が観光資源化している一本桜の一つ、飯田市江戸町の正永寺のシダレザクラ(推定樹齢400~450年)が15日朝、倒伏した。前日に住職や檀家らが魂を抜く撥遣法要を執り行い、30分後に伐採する予定だった。地域のシンボル的存在で惜しむ声が広がっている。

 本堂前に植わる古木で、樹高は15メートル、幹回りは3・8メートルほど。1408(応永15)年創建の寺が現在の正永町から移った約420年前に植えられたと伝えられている。

 広がる枝から流れ出るように花が咲き、滝に見えると評判だったが、2000年ごろに雪の重みで片側の枝が折れ、少しずつ衰弱。支柱を設置して保護したが、ここ数年は花の数も減っていた。

 9日に幹の一部がはがれ落ち、根元から傾いたため、蒲憲正住職(45)は参拝者の安全確保が第一と判断。15日の伐採を決め、14日午後に急きょ、桜から魂を抜く同法要を執り行った。
 檀家の総代ら約20人が参加し、住職の読経で焼香。両手を合わせ、それぞれ別れを惜しんだ。

 総代長の稲垣隆さん(89)=上郷黒田=は「総代になり40年間、ずっと見上げてきた桜なので寂しい気持ちでいっぱい」と話した。

 翌15日午前8時に庭師が伐採する予定だったが、30分ほど前に根元から折れて倒れた。障害物のない通路に折れ、周辺の観音像や柱にぶつからなかった。

 隣では、実から苗を育て9年前に植えた2世桜がたくさんの葉をつけている。昨春に初めて咲き、400年余の歴史を継いだ。

 蒲住職は「寂しさもあるが、朽ちていくのが命ある者の定め。2代目が受け継ぎ、またみなさんに愛していただければ」と話していた。

◎写真説明:倒伏前に執り行った法要

  

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