統合に伴い、来年3月末で閉校となる阿智村の浪合中学校は16、17の両日、小中合同としては最後の文化祭「深山祭」を開いた。17日は閉校記念企画として、寸劇と卒業生の話で中学の歴史を振り返ったほか、郷土学習の成果を発表し合った。
寸劇は、正面玄関前で学校と児童生徒の歩みを見守ってきた「あおいの桜」を擬人化し、生徒たちとのやりとりを通して、学校で起きたさまざまな出来事を紹介。その当時在校した4人が記憶をたどり、学校との別れを惜しんだ。
1947(昭和22)年の第1期卒業生は、苦しかった戦中戦後の記憶や、生徒数が多く盛大だった運動会の様子を回顧。生徒の熱意に教職員が応え、文化祭を初めて開いた77年に生徒会役員を務めた女性は「バトンをつないでくれた皆さんに感謝したい」と話した。
新旧校舎に通った先輩は、当時の写真を数多く使って発表し、軟式テニス部の黄金期を築いた一人は「阿智中に行っても浪合健児の誇りを胸に、部活からその後の人生に役立つ何かを学んで」と呼び掛け、在校生と一緒に応援歌を歌った。
郷土学習発表会では、小中合同で行ってきた行事や中学棟の扱いに関するアンケートの結果を発表する生徒も。「個人的には地域と連携するなど工夫して続けてほしい」と私見も語った。
校内には初回から昨年度までの文化祭の概要をまとめた模造紙が掲示され、校舎玄関のタイルが閉校記念品として配布された。