阿智村清内路の清内路伝統野菜保存会(櫻井道治会長)は28日、清内路かぼちゃの苗を大きなポットに植え替える鉢上げ作業を下清内路の畑で行った。苗は5月上旬ごろ、旧清内路中学校近くに新たに設ける20アールほどの畑に定植する。
清内路かぼちゃは、明治に米国から導入された「デリシャス」が土着したものと推測されているが、交配が進んで従来の特徴がはっきりしない状態になっていた。同保存会は、ハート型で甘みが強いという特徴を残す種を選別し、栽培することで品質の向上や保存、ブランド化を進めようと取り組んでいる。
昨年収穫したカボチャの中から7つを選別して種を採取。ことし4月9日に種をまいて育苗してきた。この日は会員ら10人ほどが参加し、育った530株の苗を育苗用ブロックからポットに移し替えた。
ポットには一つ一つ数字が振ってあり、どのカボチャの種から育った苗なのかを分かるようにしている。定植後も追跡して調査していく。栽培量は昨年の2倍ほどになる。
会長の櫻井さんは「長く交配しているので選別した種から良い形のものができるとは限らない。これまでは自然交配だったが、ことしは人工授粉を試したい」と語った。
伝統野菜の保存には地域おこし協力隊の女性もことし4月から携わっている。「まだまだ初めてのことばかり。伝統野菜は他の地域にはない貴重なものなので、大事にしていきたい」と話していた。