阿智村清内路地区のインターネット上の特別住民「清内路ビレッジャー」に登録している県外在住の5人が地区の依頼に応じ、11月に東京と愛知で開かれるイベントで清内路ブースの物販を手伝う。ビレッジャーが実働部隊となるのは今回が初めて。村清内路振興室では「新たなスタイルの取り組みとして定着するかもしれない」と今後に期待している。
清内路ビレッジャーは、財政危機をはじめとする合併前の苦しい状況が報じられる中、地域一丸の改革を進めた旧清内路村を応援する人を募ろうと、2004年度ころ制度化。ピーク時には200人近い会員が全国・海外にいた。
合併前は旧村役場、現在は村清内路振興室が地域のイベント情報や季節の便りをEメールで定期的に送信し、希望者に特産品を限定販売するのがやりとりの中心で、実際の交流はこれまでほとんどなかった。
物販の手伝いは、11月9・10の両日に村の文化祭、毎年ブースを出している愛知県長久手市のイベント、新たに交流が始まった東京都杉並区の「すぎなみフェスタ」の3つが重なり、人手が足りないことから「杉並への出展に協力を」と、現会員80人にメールで依頼した。
呼び掛けに応えたのは関東と愛知に住む20―60代の5人で、愛知の1人は長久手のイベント支援を希望している。清内路からも両会場に数人が出向き、ビレッジャーと一緒に野菜や加工品を販売する。
清内路振興室の男性は「報酬はなく、特産品がお礼という条件だが、思った以上に反応があった。交流は初めてなので楽しみだし、このスタイルはすごく面白い。仕組みが出来上がれば新たな展開も期待できる」と話している。