阿智村駒場の満蒙開拓平和記念館は11日、旧満州の犠牲者を追悼する慰霊祭「鎮魂の夕べ」を開催した。元開拓団員や一般など約70人が参列し、日本人だけでなく中国人など亡くなった全ての人々に祈りを捧げた。
鎮魂の碑の周囲には、旧満州に植えられていたポプラの並木やコーリャンをはじめ、現地で亡くなった開拓団員が見ることのできなかった桜の木などが植えられた。参列者は旧満州の方向を向いて黙祷を捧げると、碑に献花して静かに手を合わせた。
河原進館長は「夢と希望を旨に満州に渡り、犠牲になった人々の無念はいかばかりか。月日は流れても戦争の悲惨さを忘れることなく平和を守り抜こう」と追悼の言葉を述べた。
参列した元水曲柳開拓団員で豊丘村の原千代さん(83)は「戦後70年が過ぎたが若い方が参列してくれるとありがたい。平和記念館の皆さんが一生懸命活動しているのをうれしく思う」と話していた。
慰霊祭後は、水曲柳や大日向村の元開拓団員らが参加した今年5月の友好訪問の報告会を開催。旧開拓地の現在の様子や現地の住民との交流の様子を伝えた。また、手作り餃子を食べながらの交流会も開催した。