満蒙開拓平和記念館で慰霊祭開く

地域の話題

[ 2013年 8月 11日 日曜日 17時11分 ]

 阿智村駒場で4月に開館した「満蒙開拓平和記念館」(河原進館長)で9日、慰霊祭が開かれ、元開拓団員や関係者ら約40人が犠牲者を追悼した。死の逃避行を余儀なくされたソ連進攻の日にあたるため、元開拓団員たちは68年前の記憶を蘇らせながら、旧満州に向かって黙とう。献花をして「戦争の悲惨さを語り継ぎ、平和を守る」と誓い合った。

 庭にある「鎮魂」の文字が刻まれた慰霊碑を囲み、旧満州で命を落とした全ての犠牲者たちを追悼。旧満州がある北西の空に向けて黙とうを捧げた後、一人一人が白菊を献花し、両手を合わせた。

 あいさつで河原館長は「毎年一度、慰霊碑に集まり、犠牲になった全ての方々に哀悼の意を捧げたい」と思いを伝え、「そして、平和を願う皆さんの思いの灯火を少しでも大きくしていきたい」と決意を語った。

 68年前、1945年のこの日、旧ソ連が宣戦を布告し、旧満州に進攻。女性や子どもたちだけになっていた旧開拓村の団員たちにとっては、死の逃避行が始まった日にあたる。

 県内外から足を運んだ元開拓団員たちの中には、当時の状況を蘇らせ、涙する人の姿もあった。

 木島平村から参加した女性(89)は「子どもを助けてやることができなかった。この68年間、涙が枯れるほど泣いた」と、声を震わせた。

 高社郷開拓団の集団自決で長男と長女を失った。自分の番になった時、撃つはずの団員が戦車に撃たれ、命をつないだ。「今の若い人たちには分からない。誰にも通じない。大勢の犠牲が礎になっているんだから、戦争のない国にしてほしい」。

 語り部として、逃避行や収容所生活の体験を伝え続けている女性(88)は「あの満蒙開拓とは何だったのか、それを伝えることが私の使命」と語った。

 「必ず日本に帰って、古里の人たちにここの惨状を伝えてほしい」。9月3日、方正県で敗戦を伝えた元泰阜村開拓団の団長の言葉が今も忘れられないという。

 慰霊祭の後は、「鎮魂の夕べ」と銘打った交流会を開いて互いの体験を語り合い、二胡の演奏や朗読を聞きながら平和を願った。

 慰霊碑は「戦争の歴史を若い人たちに学んでもらい、両国で亡くなった人たちの慰霊につなげてほしい」と飯田日中友好協会員の男性が寄贈。後ろ側には「旧満州の地に眠るすべての御霊に捧ぐ」との文字が刻まれている。

  

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