飯田下伊那地域でも9日から11日にかけ、各地で「どんど焼き」「ほんやり様」「おんべ」などと呼ばれる火祭り行事があった。子どもたちが中心になって正月飾りを集め、やぐらを立てて点火。立ち上る炎に無病息災や家内安全を願った。
飯田市の浜井場小学校校庭では10日早朝、小伝馬町の1、2丁目が合同でどんど焼きを行った。6年生の児童が午前7時に、今年の恵方「南南東」から点火。前日に門松や正月飾り、だるまなどを集めて組み上げた高さ約5メートルのやぐらを囲み、炎を見守った。
中心の竹の先端に据えた花笠に火が到達すると、子どもたちは大歓声。書初めを投げ入れたり、竹の節が抜ける破裂音に沸いたりしながら楽しんだ。
昨年に続いて点火の重責を担った同小学校6年の児童(11)は「6年生で最後だったので、みんなで楽しくできてうれしい」と笑顔。軸となった両町内会小学校PTA代表の柘植恵子さん(44)は「新型コロナで開催について悩んだが、保育園児から高校生までが参加し、子どもたちと一緒に町内行事ができて良かった」と話した。
門松やしめ縄など正月の飾りを焼く行事。正月に迎えた年神様を炎とともに見送る意味が込められ、全国で行われている。飯伊では伝統的に7日や14日に実施されてきたが、近年は固定日とせず、前後の土曜日や日曜日に点火する地域が増えている。
飯田広域消防本部によると、9日に27件、10日に277件、11日に31件の届けがあった。1月中の件数は7日現在372件で、昨年1月の593件から大幅に減っている。コロナで中止した地域もあり、その影響と見られる。
◎写真説明:町内会で伝統のどんど焼き(浜井場小で)