獅子頭3体を新調

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[ 2010年 1月 9日 土曜日 8時23分 ]

 飯田市上郷黒田で喫茶店「ゴルフ」を経営する酒井孝さん(75)が、上田市文化財に指定される「前山三頭(みかしら)獅子」の獅子頭を制作した。

 黒を基調にした3体で、いずれも高さ、幅15センチ、奥行き50センチ。上田市の「東前山獅子舞ささら踊り保存会」の依頼で、昨年10月に取り掛かった。

 「割れ難いから」と選んだキリの板を10枚ほど張り合わせ、その固まりから彫り上げた。「従来のものから離れないよう心がけた」という酒井さん。約3カ月間にわたって自宅にある作業場で彫り続け、保存会がこれまで使っていた獅子頭の形や本来の色をほぼ再現した。従来の物には、人がかぶるため後頭部側にざるのようなものを付けてあったが、今回はその部分も同じ木の固まりから一体的に彫って作った。

 集中する日は朝から晩まで。1日10時間近く作業場にこもったこともあった。3体の獅子頭をあらためて見つめると「誠心誠意込めた獅子頭はまるで子どものよう。自分より長生きしてほしいです」と目を細めた。

 酒井さんは10代までげた作りの職人だった。25歳から内職で彫刻を始め、30代で能面にも挑戦。20年ほど前、地元の飯沼諏訪神社からの依頼で獅子頭を初めて制作した。その後、切石天伯神社、豊丘村熊野神社、下條村山田河内神明社など飯田下伊那地方を中心に25―26体の獅子頭を手掛ける。

 3年前からは切り絵を始めるなど趣味の幅は広い。いまでも木彫りは「趣味の1つ」。手掛けたことのないものへの挑戦に喜びを感じているようで「オーダーがあれば作りたい」と意欲を見せる。

 同保存会によると、3体の獅子頭は5月か7月ごろの祭りで披露できそう。2頭の雄獅子が1頭の雌獅子をめぐって争う場面を表現するという前山獅子。酒井さんも「舞う姿が楽しみです」と期待している。

  

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