北佐久郡立科町で乗馬クラブを経営する知光敏志さんら4人がこのほど、古代東山道の最大の難所だった阿智村智里―岐阜県中津川市間の神坂峠を馬で越えた。
古代東山道に思い入れがある知光さんは、立科に隣接する佐久市望月(旧望月町)の御用牧場で育った馬が神坂峠を越えて都に献上したとされる故事にちなみ、「現代の馬で歴史を再現しよう」と、愛知や岐阜に住む乗馬クラブの顧客3人と阿智村を訪れた。
カナダの森林警備隊が着ている制服を参考に作ったという、真っ赤な乗馬服に身を包んで園原にやってきた4人は、小型の国産馬「北海道和種」にまたがると、神坂神社前をスタート。裏手の山道を通って萬岳荘に向かい、2時間半ほどかけて中津川の強清水に抜けた。
「村の観光協会からは馬で通るには道幅が狭く危険な場所、傾斜のきつい場所があると心配されたが、迂回するなどして避け、古代ロマンを思い浮かべながら大いに楽しんだ」と知光さん。「お客さんも『すごく味があって楽しかった』と喜んでくれた」と声を弾ませた。