美博の坂本さんらの論文が国際学会誌に掲載

地域の話題

[ 2010年 3月 27日 土曜日 7時49分 ]

 飯田市上村の南アルプス山麓にある御池山(1905メートル、市有林)の半円形の地形は隕石クレーターではないか―との仮設を25年前に立てて以来研究を続けてきた市美術博物館専門研究員の坂本正夫さん(62)=上郷黒田=らのグループによる論文が、米国アリゾナ大学に本拠を持つ国際学会誌に掲載された。25日、市役所で開いた臨時会見で坂本さんは「国内の隕石クレーターに関する科学的な論文としては初めて」と語り、国際的に論文として認められる成果を挙げたと報告した。

 坂本さんによると、クレーターの国際登録機関にクレーターとして登録されているものは176ある。国内には古くから隕石などの衝突によって地表面にできたインパクトクレーターの候補に挙がった地域がいくつかあるが、具体的に進展を見せているものはなく国際登録もされていない。御池山隕石クレーターは日本国内で最初のインパクトクレーターとなる。

 御池山隕石クレーターは、しらびそ高原と下栗の里を結ぶ南アルプスエコラインの途中にある。直径約900メートルの円形で、その約40%が残存する半円形の地形。直径約45メートルの小惑星(隕石のかたまり)がおよそ2~3万年前に御池山南東斜面に衝突したと推測されている。

 隕石の衝突を示す主要な証拠は、石英の結晶内に形成された面状微細変形組織で、国際登録されている隕石クレーターの中で最も多く研究報告されている物質。坂本さんは2003年9月、レーザー照射による波長分析から隕石の衝突を証明して話題になったが、まだデータの精度が高くなく世界に通用するまでになっていなかった。

 科学的な研究により、クレーターとして理論的な証明をするためには「圧力の高い石を見つけて分析する必要がある」と判断。頂上付近のガレキ層を2メートル近く手掘りして採取した標本を、岡山理科大学やドイツの研究所の支援を得て鉱物顕微鏡で観察したり特殊なレーザー光線で分析した。その結果、御池山の半円形の地形が宇宙からの隕石類による衝突によって形成されたと結論づける研究論文が国際学会誌に掲載された。

 坂本さんは「ようやく隕石クレーターであることが論文として正式に認められ大変うれしい。協力してくれた多くの人たちのおかげでここまでこれた。よくチームワークがまったく崩れず最後までやり遂げたと言われた」と声を詰まらせ、「もっと衝撃圧縮の高い物質は残存していないか、隕石物質は残存していないか、衝撃生成鉱物は形成されていないかなど今後の自然科学的な研究の夢は尽きない」と語った。

 南アルプスエコラインは現在、冬季閉鎖中で車は通れない。市は4月15日を目途に除雪、落石の排除をして通行可能としていく予定。上村自治振興センターと連絡を密にして対応し、案内看板なども用意する方針だ。

  

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