豊丘村の農家の女性らでつくるNPO法人「加工組合かあちゃんの店」が、郷土料理の継承や開発を通して地域づくりを進める女性を表彰する「第23回食アメニティコンテスト」(農村開発企画委員会主催)で、最高賞の農林水産大臣賞を受賞した。
2000(平成12)年、農家女性83人の出資により「豊丘村農産物加工組合」が発足。交流センターだいちの西側にある施設を拠点に、無添加にこだわった加工品の製造を始めた。活動の幅が広がるにつれて施設が手狭になり、神稲の商業ゾーン「たむらんど」内に2つ目の加工施設兼常設店舗「かあちゃんの店」をオープン。昨年4月にNPO化している。現在は惣菜、漬け物、みそ・梅、ジュース・ジャム、菓子の5部門で活動を展開している。
降ひょう被害を受けたリンゴで作り始めたコンポート(砂糖煮)は村内外の学校給食でも使われている。またコンポートの調理過程で出た半端物を活用し、アップルパイを商品化。いまでは人気商品になっている。
審査講評では「ひょう害による農産物のピンチを知恵で救い、さらに代表的な商品にできたのは、加工に対する丁寧な取り組みと味に対するこだわりがあったから」と指摘。地域農業への活性化にも貢献しているとした。
同NPO理事長の菅沼栄美子さんは「農家の生産意欲が失われないよう取り組んできたことが評価され、大変うれしい。今後も、市場に流通されない規格外品に付加価値を付けられるような取り組みを進めたい」と話した。
コンテストは、農山漁村の女性や女性グループによる地域の特産物を活用した食に関する起業活動が地域に貢献している優秀な活動を表彰することで、優良事例の普及と農山漁村の振興、都市との交流の促進につなげることを目的にしている。
表彰式は先月24日、都内で行われた。農水大臣賞はかあちゃんの店の他、日々木の森(青森県十和田市)、石畳の宿さくらの会(愛媛県内子町)が受賞した。
受賞を受け、村は17日に祝賀会を村交流センターだいちで計画している。