下條村の伝統継承団体「ふるさと匠の会」(伊藤善人会長)は7日、村役場や小中学校など村内の9施設に小正月飾りを設置した。ソヨゴやビンカ、ササダケの枝に、餅花や繭玉、キンカンを挿した華やかな飾り付けで、1年の豊作を願う。
伊藤会長(88)によると、戦前には村内の各農家が飾っていたものの、近年はほとんど見られなくなり、同会が伝統文化の継承を一手に担っているという。
「村に伝わる文化を少しでも後世に残していきたい」と、年末の門松とともに30年近く村内施設に設置しており、子どもから高齢者まで幅広い世代の関心を呼んでいる。
この日に餅をつき、餅花で稲、繭玉で養蚕、キンカンで柿を表現。15人余の会員が参加し、役場に高さ約2メートルの飾りを設置した後、手分けして他の8施設にも設けた。
伊藤会長は「見栄えの良い飾りができた」と笑顔を見せ、「実りの多い年になってほしい」と期待を込めていた。
◎写真説明:役場で飾り付ける会員ら