農山村と都市のつながりに関する調査報告会

地域の話題

[ 2017年 2月 10日 金曜日 15時00分 ]

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 大学の社会学者らでつくる山村福祉研究会・南信班は10日、天龍村老人福祉センターで昨年8月に同村民を対象に実施した「農山村と都市のつながりに関する調査」の報告会を開いた。都市に出た子どもや兄弟(他出家族)が農山村に残った家族と保つ「つながり」は、子どもの帰郷や農作物の「おすそ分け」を通じて強く存在し、それらを生かした住み続けられるための方策を練ることが重要と結論づけた。

 同会は長年共通の課題で共同研究を続ける長野大、滋賀県立大、都留文科大(山梨県)の准教授と専任講師の3人で構成。調査は、人口減少が進む山村における生活課題と、都市への他出家族が高齢世帯の生活支援や農地・山林の維持管理において果たしている役割を明確にする目的で実施した。

 アンケート方式で昨年8月、村の全世帯にあたる619世帯に送り、197世帯(回収率31・8%)から回答を得た。世帯の基本情報をはじめ、近所との付き合い方や高齢者の有無、農地や耕作地、林地所有の有無、移住の可能性などについて踏み込んで質問した。

 他出家族とのつながりでは、外に出た家族や親戚が年1回以上帰郷する世帯は8割近くに上り、月1回以上の帰郷も約3割あった。住んでいる場所では県外が4割程度、飯田下伊那も4割強を占め、特に高齢者のみの世帯には盆や正月など頻繁に帰ってきていることが分かった。研究代表者の滋賀県立大、丸山真央准教授は「高齢者の生活の支えになっている」とした。

 農業分野では、120世帯のうち102世帯で米や野菜、果物などの農作物を作り、74%にあたる89世帯が販売してないことが分かった。担当した長野大の相川陽一准教授は「自給やおすそ分けを目的とした栽培活動が盛んに行われている」と指摘。農地の継承で「売るつもりはない」と4割が回答したことについて「耕し続けたい人が多いが、農地を維持するための地域や行政の働きかけも必要」と訴えた。

 調査する中で「集落の将来」をはじめ、医療体制や交通手段の確保、身の回りの世話をしてくれる人の確保に不安を持つ村民が多いことも分かった。一方で、地区に対し強い愛着を持つ村民は8割近くに上り、丸山准教授や都留文科大の福島万紀専任講師は「住み続けたいという声が多く、地域にある有形無形のさまざまな資源を生かす方策を考えることが今後求められてくる」とまとめた。

 アンケートに答えた村民など約20人が報告会に参加。自給農をビジネス転換する方法などを大学側に聞く村民もいた。永嶺誠一村長は「村の現状を把握することは一番大事なこと。今後の村政運営の参考にするとともに、他出家族の考え方なども調査してもらえるとありがたい」と要望した。

  

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