阿南町新野の文化伝承センター前に28日、地区伝統の門松「花杭(はなぐい)・杭棒(くいんぼう)」が立てられた。地区内でもほとんど立てる家がなくなったという飾りで、昔ながらの正月の雰囲気を漂わせている。
竹を斜めに切って3本を組み合わせた門松とは異なり、皮をはいだ細い杉の丸太2本を、幅88センチの間隔で門のように立ててしめ縄で結び、松やおやす、紙垂などで飾ったもの。高さは約2・7メートル。
かつては地区内の多くの家庭で飾られていた伝統の形式だが、見た目が華やかな門松の普及や、杭を刺す地面の舗装化が進んだことにより、徐々にその数が減っていったという。
センターは「昔ながらの地区の光景を思い出してもらえたらうれしい。子どもたちにも知ってもらい、数は少なくとも継承していければ」としている。
◎写真説明:皮をはいだ杉の丸太に松を飾る