明治から昭和までの懐かしい絵本を集めた「阿智村公民館図書室スタッフによるミニ絵本展」が、同村智里の東山道・園原ビジターセンター「はゝき木館」で20日まで開かれている。高齢者が幼少期に親しんだ復刻版の童話、今も読み継がれている名作のほか、大正期に発行された貴重な少年少女雑誌もあり、喫茶コーナーで自由に閲覧できる。
明治―大正の雑誌は、ビジターセンターを拠点に活動する「園原ガイドの会」のメンバーが自宅の蔵で見つけたものの一部。明治後期に「婦人画報」の妹雑誌として東京社が創刊した「少女画報」、人気があった「日本少年」、童話雑誌「赤い鳥」に刺激を受けた「小学男性」など、1922(大正11)年前後に発行された数冊を展示している。
復刻本は、昭和初期に発行された人気シリーズ「講談社の絵本」の「一寸法師」や「猿かに合戦」のほか、坪内逍遥作「当世書生気質」の影響下で書かれ、当時の少年像がうかがえる明治の作品「当世少年気質」、装丁を忠実に再現した宮沢賢治「風の又三郎」などがある。
少年少女雑誌は当時、農村地帯ではあまり読まれておらず、ビジターセンターのスタッフによると展示品は、上位の成績をとった児童に学校から贈られたものだという。
訪れた人は「講談社の絵本が特に懐かしい」「昔の雑誌は広告欄を見るだけで面白い。当時の物価や時代背景がよく分かる」と話していた。
図書室は絵本展に合わせ、スタッフによる絵本トークを18日午後2時からビジターセンターで開く。予約不要、参加費400円(ドリンク付き)。
開場は午前9時から午後4時半まで。火曜休館。問い合わせは同館(電話◯442011)へ。