阿智村産小麦の栽培と活用を目指す同村の財団法人阿智開発公社(羽場睦美理事長)と南信州もったいないプロジェクト(小池昇治代表)は19日、品種の勉強会と試食会を村中央公民館で開いた。約20人が集まり、県内産小麦粉で作ったパンとうどんで特徴を確かめた。
環境と教育、健康、観光の「4K」による活性化策の一環として休耕地で小麦を育て、安心・安全でおいしいパンとうどんを作る取り組みで、現在は伍和の5アールでパン用硬質小麦の「ユメアサヒ」と「ゆめかおり」、県主力品種の「シラネコムギ」の3種類を試験栽培している。
この日は各品種の風味や食感を知ってもらおうと、県内他地域で収穫したゆめかおり、中華麺用の「ハナマンテン」で作ったパンを食べ比べ、シラネコムギを使ったうどんも試食。県農産試験場の育種部長、牛山智彦さんから品種の特徴、下伊那郡内で栽培する際の注意点を聞いた。
パンを試作した清内路のパン店経営者、二川泰明さん(34)は「ゆめかおりはとても深みがあり、もう一回食べたくなる味。多少高くても売れる」と説明。試食した人の間でもゆめかおりを使ったパンが好まれた。
うどんは強いこしと風味、のどごしの良さが好評で、駒場でうどん店を経営する小池さん(36)は「食べた時の風味が違う。当面は『村内産小麦使用』とうたえるようにしたい」と話していた。
牛山さんは下伊那での栽培について「小麦主産地と比べると開花期からの雨が多いことから、穂発芽しにくくてカビ類に強い早熟品種であることが求められる」と説明した。