飯伊の読書会が交流会開く

地域の話題

[ 2018年 12月 4日 火曜日 15時38分 ]

読書会の交流会(中央図書館で)

 飯田下伊那地域で個別に活動している「読書会」の交流会(吉田五十鈴実行委員長)が2日、飯田市追手町の市立中央図書館で開かれた。40団体にも及ぶ各地の読書会の会員や関係者ら、約70人が参加。活動発表やテキストの群読、意見交換などを通して読書会の意義を再認識した。官民共働での交流会開催は初。

 同地域では大正時代に青年団が始めた読書運動が広がり、地下水脈のように続いてきた。戦後の一時期、官民あげた読書会が隆盛を極めるが衰退。その後は公民館や飯伊婦人文庫の活動を中心に今日まで継続された。

 今回は会のこれまでの経緯をつづった朗読劇と宮澤賢治作「星めぐりの歌」の群読からスタート。続けて8団体の代表者が各読書会の活動を紹介し、参加者全員でテキストの群読を行った。

 飯田市山本の「『夜明け前』を読む会」(竹村道生代表)の会員は18人。公民館活動の一環で読書会を行っている。出席者のほとんどが男性だが、東京や名古屋、安曇野市から参加する研究者もいて内容はアカデミックだ。

 竹村代表は「(島崎藤村の)『夜明け前』を読むことはこの地域の歴史を学ぶこと。明治維新を中心に飯田の歴史・文化を一緒に勉強している」とその熱気ぶりを報告した。

 1982年に発足した「女性史読書会」(折山清子代表)は通史を読み、時代ごとの世相で話題になった、生き方が前向きな女性の本をテキストにしている。平行して大正や昭和を地域の女性たちがどう生きたのか、の聞き取り調査も行ってきた。

 今年2月に発足したばかりの「伊賀良音読の会」(辻本千香子代表)は会員が14人。月1回の集まりに毎回3編ずつの群読を行う。辻本代表は、音読が能の活性化や誤嚥(ごえん)性肺炎などの予防に役立つことを紹介した。

 図書館や公民館の職員らがつくる「おためし読書会」は飯伊婦人文庫の活動から学ぼうと、試みにこれまで4回の勉強会を開いてきた。参加者は5~6人。

 「皆で文学作品のテキストを読むと、各自の感じ方や視点の違いなどが明らかになる」と代表の関口真紀さん。「読書会では自分を振り返ることができ、他人を知ることもできる。人間関係やつながりをつくる場にもなっている」と話した。

 交流会の終盤は意見交換へ。会場からは「読書会は何があるか分からない。いろいろな情報が入ってくる」「自分とは違う他人の着眼点は本を読む上で重要」といった意見が上がった。

 長く読書会を続けられた理由について、年配の会員からは「読書会に行けば自由にしゃべれる。それが長く続けられた要素ではないか」「指導者が私たちの目線に立って話を進めてくれる。おかげで皆、話しができるようになった」といった見解も。

 それに関連し「新しい読書会のために地域に埋もれている先生方をみつけてもらいたい」という提言もあった。さまざまな立場からの意見が出る中で、参加者らは読書会の意義や効用について認識を深めた。

 吉田実行委員長は「今日の交流会は今までで一番充実していた。官民が一緒にやったのは大きな方法論。この地方の文化土壌を守っていくためにもこういう場が必要で、これからも読書会をつなげていきたい」と述べ会を締めくくった。

  

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