正月飾りなどを集めて燃やし、無病息災などを願う伝統行事「どんど焼き」が11、12の両日、飯田下伊那各地で開かれ、子どもや大人たちが多数参加し、無病息災や家内安全、商売繁盛などへの願いを込めた炎を立ち上らせた。
地域によっておんべ、ほんやり様とも呼ぶ年頭の伝統行事。かつては7日早朝に行われることが多かったが、近年では土・日曜日など休日に行う地域が増えていて、飯伊ではこの両日に約400カ所で行われた。
飯田市鼎の一色区は地区内の畑で行い、鼎小学校の児童、保護者、地元の住民ら約140人が参加して11日午前6時に点火した。
前日に児童やPTAが中心となって集めて作った飾りは、商業地とあって門松やだるまの多さが目立った。真っ暗闇にともった火はしだいに勢いを増し、風にあおられて大きな炎に変わった。
火の勢いが弱まると、参加者たちは持参した竹さおの先や網の上に餅を載せ、火加減に注意しながら焼いた。ウインナーを焼いておいしそうにほおばる子どもの姿も見られた。
高森町下市田5区の自治会は11日朝、地区内の広場で行った。育成会が中心となり、前日に小学生が松集め、中学生と大人が飾りづくりに当たった。
主催している自治会の役員と、未年で年男・年女の小学生が点火し約50人で炎を囲んだ。
佐々木啓登自治会長(67)は「年頭の行事を、小中学生とともに行うことが地域の伝統。子どもたちには将来にわたり、引き継いでいってもらいたい」と願っていた。