飯田商工会議所中小企業相談所(佐々木信高所長)は10月からの3カ月間にわたり展開されている信州デスティネーションキャンペーンの関連事業として、おもてなしの心を養う接客講習会を14日、飯田市上郷別府の地場産業センターで開いた。講師に旅館のサービスオペレーションの構築、社員教育に携わるオフィス・ヴァルト代表福島規子さん(36)を迎え、気配りがサービスに変わるまでの行動や工夫を学んだ。
全国のJR6社と県内観光関係者や市町村などが連携を図って実施している同キャンペーンを踏まえ、同商議所は訪れる観光客に対する接客応対、サービスの向上が重要ととらえて講習会を企画。テレビドラマでの接客演技指導も行うなど対人サービス研究専門家の福島さんの話に、参加した約90人が注意深く耳を傾けた。
福島さんは客に水を出す行為を例に「人はモノと人的サービスによって満足する」としたうえで、「サービスは生産とともに消費されるもの。正しくサービスを生産しないと正しく消費されない。お客さまを満足させたければ正確に迅速に提供すること。悪いサービスだけが記憶に残る」とサービスのあり方を示した。
また困っている人を助ける「援助行動」に対し、困ってない人を喜ばせる「配慮行動」が「気配り」であり、リピーター化すると指摘。「一人ひとりがいろんなことを考えてマニュアル化していくとサービスは標準化され、そのサービスのレベルも上がる。これが土壌化するれば、次の、また次のレベルに上げようという配慮行動が生まれる。高次なサービスは自分たちで作る」と、高いレベルで標準化されたサービスの重要性、有効性を強調した。