飯田山岳会がシンポジウム開催へ

地域の話題

[ 2019年 10月 13日 日曜日 14時31分 ]

 飯田市出身の登山家らがつくる「南信州山岳文化伝統の会」は21日、山岳文化シンポジウムをエス・バード(同市座光寺)で開く。地域の景観と自然体験を満喫できる登山システムの構築に向けたステップと位置付け、講演などを企画。飯田山岳会のシャルバチュム(ネパール・ヒマラヤ、標高6918メートル)初登頂から60年の節目を記念し、登頂記録の上映や鼎談(ていだん)もある。

 9月に立ち上がった南信州山岳文化伝統の会は遠山郷エリアを中心に、自然を守る「エコ登山」を提案する。またインバウンド(訪日外国人客)の誘客につながるリニア時代を見据え、地域の魅力を紹介し学習の場にもなるビジターセンターを登山口がある南信濃木沢に設置する構想。南アルプスの赤石山脈の名を広めようと、「AKAISHI」として国内外に発信する計画もある。

 3年計画で進める考えで、本年度は21日にシンポ、22日からは「南信州の山岳文化、青春をかけたヒマラヤへの挑戦」と題した展示会を市美術博物館で開く。

 地域連携DMO南信州観光公社(飯田市)の竹前雅夫・地域振興室長は「リニア時代に向かい、この地域の山岳を観光の側面から活用と保護、保全に貢献する取り組みを進めたい」と話した。

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 三浦雄一郎氏迎え
 シンポは3部構成で行い、第1部は偉業を記録したシャルバチュム登頂記録映画を上映。第2部は登山隊員の松島信幸さんと北城節雄さん、飯田市出身の登山家・大蔵喜福さんによる鼎談を行う。第3部には冒険家の三浦雄一郎さんを迎え、「歩き続ける力~それぞれのエベレストを目指して~」と題した講演もある。

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 昭和34年に初登頂
 飯田山岳会は1959(昭和34)年10月25日、日本の民間登山隊としてシャルバチュムの初登頂を成し遂げた。山田哲雄さんを隊長に、松島さんや北城さん、寺畑哲朗さん、新井均さんらが隊員として挑戦した。

 記録によると、当初はランタンリルン(7245メートル)を第1候補、シャルバチュムを第2候補とし、9月29日にネパールのカトマンズを出発して8日目、ランタン谷の中心集落に到着。氷河の上にベースキャンプを設営し、2隊に分かれてそれぞれの山を偵察した結果、装備の不備や遠征隊を案内していたシェルパの助言から、シャルバチュムを目指すことを決定した。

 クレバスを避けるために岩壁直下を登った際には、落石や雪崩に注意しながら通過。2メートル以上の氷柱が垂れ下がる氷壁の真下を歩いた時は、氷壁の崩落や氷柱の落下を恐れながら進んだ。

 登頂は北城さんを含む隊員2人とシェルパ2人の計4人で目指し、10月25日早朝に出発。昼頃に山頂へ到達して全員で感激の握手を交わしたが、30分ほどでガスに覆われてしまったため下山したという。

 飯田山岳会発行『わたくしたちのヒマラヤ登山』には、「1時15分、頂上を後にする。降りが気になって仕方ない。慎重に慎重に下降する。ようやくプラトーに降り立った。緊張感が消え去っていく。登頂の感激が緊張感の消失とともに、ヒソカに湧き出してきた。オレたちは登ったのだ」と当時の様子を記述する。

 シンポは午後6時から。入場無料。問い合わせは南信州観光公社(電話0265・28・1747)へ。

◎写真説明:シャルバチュム登山の様子(飯田山岳会発行『わたくしたちのヒマラヤ登山』から)

  

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