数字の「1」が並んでぞろ目となった令和元(1)年11月11日、日本郵便内の取扱店番号が「11111」の飯田風越郵便局(飯田市丸山町)に日付印を求めるマニアが全国各地から殺到した。平成11(1999)年11月11日以来、約20年ぶりの熱狂で、為替利用者だけで150人余に上った。
午前9時の開店時には約60人が行列を作った。
先頭は前日10日の午前6時から並んだ千葉県我孫子市の会社員津村大さん(39)。訪問局数3500ほどの「駆け出し」というが、平成22年2月22日も「22222」の三重県亀山市井田川局で先頭だった。
定額小為替を利用して「1」が並んだ証書を受け取ると「令和最初のぞろ目を1番にとれてうれしい」と喜んだ。
2番は全国7250局を巡る大阪府のベテラン、酒井和重(78)、尚代(77)夫妻。飯田市は初といい「信州の景色を楽しみたい」と語った。
為替利用者は1万1111円や1111円を送金する人が多かった。他に郵便はがきへの押印を求める人や端末の利用者も足を運び、店内は終日混雑した。
20年前の経験を踏まえ、局は日本郵便信越支社(長野市)や地元局と連携。普段は3人ほどで運営しているが、近隣局に応援を求めて26人で対応した。局前に風雨をしのぐテントを設置し、警備員を配置して交通整理にもあたった。
閉店後、井原宏幸局長(56)は「皆さんのおかげで、無事に問題なく業務を終えられて良かった」と安どの表情を浮かべていた。
◎写真説明:1番は千葉県の津村さん