高森町教育委員会は14日、下市田の新井原遺跡で銅銭「富寿神宝(ふじゅしんぽう)」が見つかったと発表した。日本で6番目に古い貨幣で、町教委によると、南信では飯田市に続いて2枚目で、県内では16枚目の発見。
個人住宅の建築に向けた昨年10月の試掘調査で、深さ60センチほどの溝跡から見つかった。直径は2・3センチ、重さは3グラムほど。表面に刻まれた「富寿神宝」の文字がはっきり読めるなど、保存状態は比較的良いという。
富寿神宝は飛鳥―平安時代に鋳造された「皇朝十二銭」の一つで、日本最古の貨幣「富本銭」が鋳造されてから135年が経った818(弘仁9)年から数年間つくられた。
町では富本銭に続く2枚目の古代貨幣となる。出土現場は、富本銭が見つかった場所から250メートルほど離れている。
町歴史民俗資料館「時の駅」によると、富寿神宝は街道沿いの主要な集落から出ることが多く「役人の居住区だったのでは」とみた。
町教委は来月から同資料館で速報展を開催する予定。
◎写真説明:高森町で見つかった「富寿神宝」