74回目の終戦記念日となった15日、高森町と町社会福祉協議会主催「戦没者追悼・平和祈念式典」が町福祉センターで開かれた。戦没者の遺族や町民ら約150人が参列し、平和への誓いを新たにした。
式典は26回目。次世代の平和を担う子どもたちにも参加してもらいたいとの思いで、高森中3年の石田尊楽さん、宮下咲良さんの2人が進行役を務めた。
壬生照玄町長は「戦争を知らない私たち世代が悲惨な戦争の経験を風化させることなく戦争を学び、教訓を後世に語り継がなければならない」と述べ、町の豊かな可能性を切り開き、安心して暮らせるまちづくりの実現に向けて全力を尽くすと誓った。
大島正光議長、遺族会の原勝彦会長が追悼の言葉。平和推進会議の中塚啓介会長、高森南小6年の岩田大輝君、高森中3年の大蔵陽向さんが「平和への願い」と題し、それぞれの思いを語った。
標柱が立てられた祭壇に参列者が献花し、正午になると全員で犠牲者に黙とうをささげた。同町を拠点に活動する「しなの風の子合唱団」や、高森コーラスによる歌の披露もあった。
高森町は1958(昭和33)年に「核兵器禁止」、翌年に「平和町宣言」、83年に「非核平和都市宣言」を飯田下伊那地域でいち早く決議。2008年には広島市長が国連で提唱した「平和市長会議」に加盟するなど、平和への取り組みは積極的だ。10年には平和や非核への熱い思いを明文化した「平和へのかけはし条例」を成立させ、また13年には毎年8月を「平和推進月間」と決めている。
◎写真説明:高森町の平和祈念式典