高森町下市田の町有形文化財「下市田学校」で5日、桜を眺めながら抹茶を味わう「桜を愛で、抹茶に楽しむ会」が開かれた。5回目で、例年だと前庭で行うが、あいにくの雨のため校舎内に茶席を用意。主婦ら来場者は校舎裏のエドヒガンを見ながら抹茶を楽しんだ。
校舎に思いを馳せながら優雅なひとときを楽しんでもらおうと、下市田学校の保存と地域おこしに取り組む住民グループ「下市田学校応援隊」が2010(平成22)年から毎年開催している。
この日は校舎2階に茶席を設け、地元の茶道クラブがたてた抹茶を提供。親子連れの姿もあり、抹茶を味わったり開放された校舎内を見て歩いた。
同応援隊の男性(68)は「雨は残念だったけど町内外から多くの人が訪れてくれた。下市田学校を知ってもらう機会として今後も続けたい」と話していた。
下市田学校は、尋常小学校として1888(明治21)年に完成した擬洋風建築。戦後は下伊那農業高校の高森分校として1980(昭和55)年まで使用された。
1875(明治8)年に現在の位置に校舎を建てた際に植えたとされるエドヒガンがあり、近くの「萩の里」と呼ばれる周辺にも桜の木が並ぶ。