新型コロナウイルス感染症の「飯田市地域外来・検査センター」が25日、旧南信州・飯田産業センター内の旧工業技術センター(同市上郷別府)に開設した。かかりつけ医や有症状者相談窓口(飯田保健所)を通した「紹介・完全予約制」で、ドライブスルー方式で初期診断や検体採取を行う。検体の採取は26日から始まる。
検体採取は月曜から金曜日の午後1時から2時間以内とし、1日上限10人。当日午前10時までの予約分を受け入れる。当面は飯田下伊那地域の5病院が輪番制で医師、看護師、臨床検査技師を派遣する。
検体検査は主に飯田市立病院が担い、より迅速に結果が判明する「LAMP(ランプ)法」は重症者を優先。ランプ法だと4時間で陽性、陰性の判定結果が出るといい、陽性患者に対して迅速な対応が取れる。
民間の検査機関でのPCR検査も選択していくが、検査体制強化のため今後は市立病院にPCR検査の機器を導入する予定。
新型コロナの第2波に備えて検査体制を拡充するほか、検査データの一元管理も担うことになる。開設を前に23日に開かれた記者会見で、検査センター所長を務める飯田医師会の原政博会長は「データ管理によって感染拡大をすぐに把握でき、感染症対策に向けてデータ管理は重要」と指摘した。
牧野光朗市長は「住民の安全安心を維持し、医療崩壊を招かないためにも迅速に検査できれば」と期待を込めた。
検査対象は飯田下伊那地域の患者。初診料、診察情報提供料などは保険診療と同様に患者の負担となるが、患者の住所地の市町村が負担するため、検査は無料で受けられる。
センターは県の委託を受けて設置し、市が飯伊地区包括医療協議会に委託して運営する。
県はセンターを県内10広域圏ごとに1~3カ所程度設置する方針。
◎写真説明:会見する牧野市長ら