下伊那農業高校野球班の保護者会(後藤和彦会長)は22日、飯田市鼎名古熊の稲丘会館で野球班の1年生とその保護者らを対象にした普通救命講習会を開いた。飯田広域消防本部から講師を迎え、心肺蘇生法やAED(自動体外式除細動器)の正しい利用方法を学んだ。
2005年、同校野球班の男子生徒(当時15歳)が練習試合の際、胸にボールが直撃した影響で心臓震とうを起こし一時心肺停止の状態となった事故を受け、保護者会が中心となって救命講習会を企画。以来、毎年この時期、1年生の生徒と保護者を対象に開いている。
この日は班員とマネージャーの7人と保護者、昨年参加できなかった2年生保護者ら計15人ほどが参加。同消防本部の古田智士指令補ら2人の講師が救命処置について説明し、生徒や親も実際にダミー人形を使った胸骨圧迫、人工呼吸の心肺蘇生法などを学んだ。
古田さんは「飯田下伊那の野球部で独自にAEDを持っているのは下農だけ」と強調した上で、「救命処置は周囲にいる人の協力が必要。AEDを正確に使えるよう勉強してほしい」と呼び掛けた。後藤会長は「いざという時に対応できる知識を身に付けたい」と話した。