飯田市立病院は10日、出産した人にお祝いのメッセージと共に「お祝い膳」を提供すると発表した。提供を始めるにあたり、2008年度「信州の名工」に選ばれた日本料理「柚木元」の萩原幸夫さんに献立と調理技術の指導を受け、出産祝い膳のメニューが完成。この日、試食会を兼ねて記者発表を行った。
献立内容は▽お赤飯▽すまし汁▽トマトとモッツレラチーズ、アスパラガスの柚子胡椒添え、生ハムの盛り合わせ▽ヒレかつ▽よもぎ麩、南瓜、なす、冬瓜の炊き合わせ▽豆腐サラダ▽抹茶ヨーグルトゼリー果物添え。エネルギー量は950キロカロリーと少し多めに設定した。
同院食養科の熊谷彰子科長(栄養管理士)は「入院患者の治療に貢献する食事を提供するとともに、少しでも満足度の高い食事が提供できるよう、お祝いの意味も込めて、ささやかではあるが、お祝い膳を用意させていただく」と説明。「萩原さんからプロの知識、技術を学ぶなかで、より満足度の高い食事が提供できるよう取り組んできた。準備が整いしだい、9月から開始したい」と述べた。
食養科では、栄養士7人、調理員20数人体制で月曜日から土曜日まで1食300人前後の食事を提供している。出産する人は1日平均5~6人、年間約1000人で、お祝い膳は生まれて4日目に提供する。特別メニューを提供するのは今回初めて。献立について、萩原さんは「ちょっと変わったもの、ふだん食していないものでお祝いされている気持ちを考えて作った。季節の野菜に合わせて変えていく」とした。
同院によると、出産祝い膳の提供は南信では初めて。今後も今まで以上に食の知識を深め、多様化するニーズに対応し、患者に満足してもらえるよう食のアメニティを提案していきたい考えだ。