広域連合がイズムリンクを再編へ

子育て・医療・福祉

[ 2015年 5月 8日 金曜日 8時15分 ]

 飯田下伊那地域の医療機関や行政が連携して、医療・介護の情報共有基盤の構築に向けた取り組みが進む。構想の中核となるのが情報通信技術(ICT)を活用した飯田下伊那診療情報連携システム「ism―Link」(イズムリンク)。社会インフラとしての発展性を見据え、飯伊14市町村でつくる南信州広域連合(連合長・牧野光朗飯田市長)は、広域連合として主体的に関わる方針を確認。本年度にデータセンターの設置によるシステムの再構築を目指す。

 イズムリンクは同意を得た患者の診療情報(カルテや画像など)を飯伊の医療機関や従事者らが共有、閲覧できるシステム。モバイル端末や書き込み機能を用いて、在宅医療現場への利活用も始まっている。事務局の飯田市立病院などによると、システムは市が2009年度に国の補助事業を活用して構築。4月現在で飯伊の78の医療機関が参加する。病院情報の開示は7病院が行い、患者登録数は7800人となっている。

 14年度からは市と飯伊13町村による定住自立圏形成協定の内容にシステムの運営支援項目を追加。市町村が費用負担などで協力し、本年度は飯伊の訪問看護ステーション全11カ所へ専用モバイル端末を導入する。

 メリットや期待の一方で、課題も出ていた。情報開示の7病院は個人情報保護の観点から、それぞれに専用サーバを設置するが、更新には500万円程度が必要で県の補助対象外。本年度に6病院が更新時期を迎えるにあたり「多額の自己負担が続けば病院経営を圧迫しかねない」との懸念が強まっていた。

 地域住民への啓発や運用制度の統一化なども課題で「地域の公益事業として、公益団体が主体的に関わるか、組織の法人化などを検討すべき」の意見も出ていた。

 課題解決の足掛かりが今回のデータセンター構想で、各病院のサーバなどを統合することで、維持・更新などに掛かる事業費を圧縮。広域連合が設置することで公益事業の位置付けが増し、国県の公的な支援もより期待できる。イズムリンクへの新たな医療機関の参加も期待される。

 健康情報を集積・提供できる基盤づくりを目指す国の方向性も踏まえた対応で、引き続き、飯田医師会や県飯田保健所などとも連携、協力する。同広域連合は「地域包括ケア」の推進に向け、地域内のインターネットの接続環境の整備なども検討していく。

 牧野広域連合長は「人口減少、高齢化社会の進展に伴い、地域医療の役割はますます重要。国全体で見ても持続可能な医療体制が大きな課題となる中、イズムリンクの再構築は国のモデルにもなり得る」と指摘。「地域住民の健康を守るため、関係機関との連携による地域を挙げた取り組みは非常に有意義」としている。

  

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