飯田保健所管内での新型コロナウイルス感染者が確認され迎えた日曜日の29日。悪天候も重なり、飯田市の中心市街地は歩く人も少なく、静かな休日となった。
雨が上がった午後2時過ぎの飯田市動物園。人の姿はまばらで、マスクを着用した入園者が目立った。長良健次園長は「天気の影響もあるので」としつつ、「晴れてきて多少入園者が増えたが、普段より少ないのではないか」と話した。園内にはアルコール消毒液を各所に設置。「利用するお客さんは多い」という。
小学生の息子とともに動物園を訪れていた飯田市の30代男性は「ずっと家の中にいるのも良くないと思って外に出たが、身近に感染者が出たのでマスクや手洗い、消毒などの予防はしっかりとしたい」と話した。
連日子どもたちでにぎわっていたかざこし子どもの森公園(同市丸山町)もこの日は閑散とし、静けさが漂っていた。午後2時ごろの利用者は親子連れが1組とウオーキングに訪れていた数人のみ。公園事務局の熊谷康平さん(27)は「普段は雨の日でも敷地内施設の利用者は多少いたが、今日はほとんどいない」と話した。
同市銀座の映画館「トキワ劇場」も大きな影響を受けている。堀秀磨支配人によると、3月6日に公開予定だったドラえもんの映画が8月に延期されたことで、親子連れの来館者が大きく減少。それでも朝一の10時台の上映にはシニア層が多く訪れていたというが、「報道があった翌日の土曜日にはほとんどこなかった。日曜(の客入り)は最悪の一言」と肩を落とし、「ゴールデンウイークまでこの状況が続くのかと心配している」と不安げだった。
◎写真説明:人の姿もまばらな飯田市動物園