飯田市救急法競技大会が4日、同市松尾明の飯田勤労者体育センターで開かれた。市内20地区の24チームから選手ら94人が参加。来年秋に市内で開かれる県大会の出場切符(上位4チーム)もかけて、日々の練習で培った救急法の技術を発揮した。
災害時や突発的な傷病者の発生時に備え、迅速で的確な応急処置ができるよう、知識や技術の向上を図る狙いで、日本赤十字社長野県支部飯田市地区(地区長・牧野光朗市長)と同市赤十字奉仕団(堀口美鈴委員長)が主催。県大会の出場チームを決める本大会は隔年で開いている。
競技は1チーム3人編成で、午前に軽傷の部、午後に重傷の部を実施。選手たちは傷や出血、骨折や捻挫、心肺停止などの症状を想定した傷病者役の手当てを行い、日赤長野県支部救急法指導員らの採点を受けた。
負傷の箇所や症状は競技直前に示されるため、各チームは開始の合図と共に瞬時に最善の行動を判断。連携して機敏に役割をこなし、応急処置を進めていった。
競技終了後に指導員による模範演技もあり、選手たちは自らの競技も振り返りながら、適切な処置の手順を再確認。昼食時は炊き出し班によるカレーを味わった後、市危機管理・交通安全対策室の防災係長による講演に耳を傾けた。
開会式で牧野市長は「災害や事故はいつ発生するか予測が付かず、団の皆さんの存在は大変心強い。今後も精進を重ね、安全安心のまちづくりへの尽力を願う」と激励。堀口委員長は「(緊張で)上がってもいい。経験を積み重ねることで災害時に上がらずに適切なケアができるようになる。自分たちの地域は自分たちで守る意識を高めてほしい」と期待を込めた。