第61回長野県国保地域医療学会

子育て・医療・福祉

[ 2016年 6月 27日 月曜日 9時07分 ]

 地域医療のあり方を考える「第61回長野県国保地域医療学会」は18―19日、飯田市錦町のシルクホテルで2日間にわたり開かれた。「地域で支えるこれからの医療を考える」をメーンテーマに、特別・基調講演やシンポジウム、研究発表を通じて地域住民の健康増進について考えた。

 県国保地域医療推進協議会が主催。少子高齢化が進む中で、地域住民のニーズに応えた保健・医療・福祉・介護を包括する地域医療の展開を目指し、関係者の相互の研鑽と緊密な連携を図ることが狙い。県内外から医療関係者ら200人余が参加した。

 学会長の金子源吾・飯田市立病院長はあいさつで「限られた人材と予算の中で、病院からシームレスに、いかに効率的で良質な医療・介護サービスを提供するかが最大の課題」と指摘。「多彩な分野で地域医療に向き合う人たちと意見交換し、方向性を見出す機会になれば」と述べた。

 初日は研究発表と飯田市美術博物館の桜井弘人学芸員による特別講演を開催。2日目は政策研究大学院大学の島崎謙治教授による基調講演とシンポジウムを開いた。

 このうち「地域で支えるこれからの医療を考える~地域包括ケアシステムの構築を目指して~」のテーマで行われたシンポジウムで飯田医師会理事の建石徹さんは、広大な飯田下伊那地域での空間的・時間的制約を克服するために「医療情報通信技術の利活用が極めて大事」と指摘。その中で「大きな役割を果たしつつある」とする「飯田下伊那診療情報連携システム(ism―Link(イズムリンク)」を事例を踏まえつつ紹介した。

 建石さんは実質的な運営開始から5年足らずで登録患者数が1万人に達し、「地域包括ケアに向けた多職種連携のための礎になる」と期待を寄せる一方で、「便利だがあくまでツール。使いこなさなければ意味がない。多職種間で顔の見える関係を築く必要がある」と訴えた。

 終末期、小児、難病と医療依存度の高い利用者を中心に訪問看護を提供している飯田市訪問看護ステーション管理者の平沢まゆみさんは「終末期でも医療機器を装着した患者さんが、在宅を選択することが多くなった」と強調。「職種間の垣根を越え、本人や家族の思いに寄り添い、その人らしく在宅での生活や最期を支援することが私たちの目標」と語った。

  

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