“地域でずっと暮らせるまちづくり” 認知症フォーラム

子育て・医療・福祉

[ 2014年 12月 10日 水曜日 13時51分 ]

 飯田市、県飯田保健福祉事務所主催「認知症・高齢者虐待防止フォーラム」は6日、鼎文化センターホールで開いた。南信地区の介護保険事業所などの福祉・介護関係者、行政関係者、高齢者やその介護者を始めとする地域住民約400人が参加。認知症になっても地域で安心して暮らせるまちづくりと、巧妙化する特殊詐欺の被害に遭わないための講演を聞いた。

 最初に講演した静岡県富士宮市認知症家族の会の男性(66)は、会社に勤めていた7年前、58歳の時にアルツハイマー型認知症と診断された若年性認知症当事者。妻や認知症キャラバンメイトの5人とともに来飯し、認知症になっても地域でずっと暮らし続けられるまちづくりについて語った。

 男性は36年間、営業としてバリバリ働いたが、ガス会社では通常の勤務ができなくなり、会社側のサポート体制もなかった。「会社から休めと言われ、人間失格と宣告されたようだった」とショックを語る。会社に籍だけ置かせてもらい、傷病手当を使いながらリハビリに取り組んだ。

 妻は「最初どういう病気か分からず、接し方も分からなかった」というが、医師から五感を使って生活してはとヒントをもらい、男性は新聞の切り抜きをして転記するようになった。夫妻が「次の一歩を踏み出そう」と相談に訪れた富士宮市役所で出会った職員は「自分の得意なものを見つけられたことが大事」と語り、住宅ローンをかかえた男性を観光案内所へ連れて行った。ここで観光ガイドとして4年間、毎週5日勤務するかたわら、講演活動を開始した。

 「生きがいは卓球」という男性は、市民と一緒に週1回の卓球活動を楽しみにしている。ギターもデイサービスでいろんな人に教えてもらい、3曲弾けるようになったという。富士宮市役所の職員は「必要な支援はデイサービスに行くことではなく、必要なサポートをすることだと教わった。観光案内所は閉鎖になったが、男性はこの苦境から自分たちで木工房をつくり出し、車イスを製作して販売している」と紹介した。

  

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