阿南署と飯田広域消防本部阿南消防署は24日、天龍村長島のJR飯田線為栗駅西側の天竜川右岸一帯で水難救助訓練を実施した。両署から合わせて27人が参加して、天竜川に電車両が落ちたとの想定で救助ボートを出動させ、要救助者に見立てたペットボトルを回収。ボートの操船技術や的確な救助方法の向上を図った。
夏休みに入り、河川などでの水難事故が増える時期を迎えるにあたり、消防、警察が連携を強化し、有事の際に的確な救助活動ができるようにと合同訓練を始めてことしで7年目。この日はJR飯田線を為栗駅から豊橋方面に進行する3両編成の電車が土砂崩落に合い、1両目が脱線してすぐ横を流れる天竜川に落下、一部車両が水没するという初めての想定で行った。
参加隊員らは、1両目の車両に8人が乗車していたことを確認すると、消防、警察それぞれが救助用ボートで出動。天竜川を現場まで進行し、要救助者に見立てたペットボトルを回収しては現場指揮本部に報告、搬送までの手順を確認したほか、残り2人は流されたと見て、範囲を広げて捜索に当たるなど有事の際の対応を体で覚えた。
清水敏夫阿南消防署長は「夏本番で川遊びも盛んになり、事故の発生が予想される」とした上で、「実践に即した訓練で技術を上げ、警察との相互の連携強化を図りながら安全かつ迅速な対応を心がけたい」とし、神田庄市阿南署長も「機動隊が来るまでの第一次的な対応は我々警察と消防になる。情報を共有化して連携できるよう準備したい」と話した。