飯田医師会、在宅医療の受容力調査を市に提案 理事者間懇談会

子育て・医療・福祉

[ 2016年 8月 2日 火曜日 15時36分 ]

医師会と市が懇談 飯田市と飯田医師会(古田仁志会長)の理事者らによる懇談会が7月29日夜、同市錦町のシルクホテルであった。医師会側は圏域の病床数に関わる県地域医療構想の策定に向けた検討状況を踏まえ、「在宅医療の受容不可能世帯数」などの実態調査を市で実施するよう提案した。牧野光朗市長と古田会長をはじめ、双方の幹部役員ら計31人が出席した。

 

 受容力の調査提案に対し市側は「世帯の構成や就労状況、病態などさまざまな要素を加味する必要があり、人口10万人規模の市で把握することは難しい」とする一方、「病床から在宅療養への移行数の把握は必要で、協力を願う。次期介護保険計画の策定でも重要になろう。現状の医療・介護資源を勘案し、どのような在宅介護サービスが必要か検討していく」とした。

 

 飯田医師会の原政博・地域包括ケア推進特命理事は「在宅療養は、ある程度の居宅介護力がなければできない」「在宅医療の受け入れシステムは現状のままでは難しいが、病床削減、在宅誘導の道が国によって半強制的に進められようとしている」などと懸念し「療養病床数の一律削減が地域崩壊につながりかねない」と警鐘を鳴らした。

 

 提案では「受容不可能世帯」の把握とともに、「在宅医療レベル」の患者が「受容不可能世帯」内に生じた場合の受け入れ先のシミュレーション(予測分析)も求め「当圏域の慢性期病床が不足すると在宅医療は支え切れないとの具体的数値を示すことが望まれる」と指摘した。

 

 牛山雅夫在宅医療・介護保険担当理事も「飯伊は現状約1600床から200床以上の削減とも言われる。秋にも構想が決まりそうで悠長に構えてはいられない。介護療養病棟や特別養護老人ホームの実態なども見てほしい」と訴えた。

 

 懇談で医師会側は、看護職員確保対策として、圏域出身者への新たな奨学金制度の創設も提案。「当地に(看護職員として)定着することで奨学金の返還を免除するものだが、准看護学校入学者や飯田女子短大への入学者を優遇する制度とし、金銭的にも魅力あるものにしたい。来年度にも始めたい」との意向を伝えた。今後に南信州広域連合との検討会を見込んでおり、連合長の牧野市長は「検討を深め、実のあるものにしていきたい」と応じた。

 

 冒頭あいさつで古田会長は「国内外で目を覆いたくなるような事案が多く起きており、教育や政治を担う行政の大切さを実感している。当地も災害を含め、どのような事態が起きるか分からず、医師会と行政も常に顔の見える関係づくりが大事」と述べた。

 

 牧野市長はリニア中央新幹線や三遠南信自動車道の開通を見据えた地域づくりを展望する中で「健康に安心して暮らせる地域のため、どのようなことが大切かをしっかりと考えていく」と話した。

  

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