飯田医師会が県健康福祉部と懇談会

子育て・医療・福祉

[ 2011年 9月 16日 金曜日 9時42分 ]

 飯田医師会(市瀬武彦会長)と県健康福祉部(三村保部長)の懇談会が14日夜、飯田市錦町のシルクホテルであり、医師会側は医療現場の実情を踏まえ、ドクターヘリの3機目配備、医師確保対策や重症心身障害者の受け入れ施設の充実などを要望した。新しい胃がん検診の普及をめぐっては、導入推進を求める医師会側に対し、県側は慎重な姿勢を固持した。

 飯田医師会の市瀬会長をはじめ理事ら15人と、同部の三村部長や眞鍋馨医療政策監など幹部職員ら7人のほか、懇談会の開催を提案・仲介した古田芙士県議ら飯伊選出の5県議も出席した。このような懇談会は県内で初という。

 冒頭あいさつで市瀬会長は「医療費が抑えられ、厚労省の問答無用の上意下達が定着して医師の経験を生かした独創性が失われれば、医療の質が低下することは目に見える。もう少し医療従事者の側から医療を見るべき」と問題提起。三村部長は「地域の実情はそれぞれ違う。全体公約数的にしか医療行政が進むことのないよう、このような懇談を重ねたい」と応じた。

 最初の議題は、松本市の信大付属病院に10月から配備される県内2機目のドクターヘリ。市瀬会長らは「山間部が多く、ヘリの必要度が最も高い南信に配備されると期待しただけに残念。いまだに道路交通網の整備が遅れている飯伊にこそ必要」として、3機目の配備検討を求めたが、県側は「2機目の運用状況を検証していく」と述べるにとどめた。

 胃がん検診の新たな方法をめぐっては、異論反論が飛び交った。医師会側は「従来のバリウムによる透視検診に比べて、受診率や精度、経済性に優れる」として、血液検査による「ABC検診」の導入を提唱。一方の県側は「メリットを示すデータが少ない」などとして、積極的な姿勢を打ち出すことは「難しい」との見解を示した。

 「国の検診はがんの発見率(を高める)よりも死亡率の減少に目的の重きを置いている。死亡率の減少に効果的かどうか精査が必要。まずは現在の検診に対する理解や周知度を上げたい」との県職員の発言に対し、医師たちは「死亡率を減らすには治せるがんを見つけることが大事。導入を進めねばデータは積み上がらない」「バリウム透視と比べ、分かりやすい検診方法」などと反論。古田県議も「医療は日進月歩。命を大事に考えるなら切り替えるべき」と前向きな検討を求めた。

 懇談ではこのほか、医師確保対策に関連して、県がドクターバンク事業の実績を報告。8月末までに延べ64人の医師が県内医療機関に勤務したものの、県内4ブロックのうち南信は最も少ない8人で飯伊は0人だった。医師たちは自治医科大学関連事業や県の医学生修学資金貸与制度なども交えて「医師の偏在化を防ぐため、柔軟な対応や運用を願う」と呼び掛けた。

 医師会側は飯伊で90人程度という重症心身障害児(者)に対する支援の充実も要望。ほとんどが在宅介護で対応している現状を踏まえ、ショートステイ受け入れ施設の設置のほか、既存事業所のデイケアやショートステイを行う場合の報酬額の見直しや県補助を求めた。

 大規模災害時における介護施設の入所者や在宅の重度介護者などの避難対応について、県指針の早急な作成と整備、市町村への具体的な指導も願った。

  

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